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(2014/0701)
私は、私の人生のかなりの期間、学術と実践の世界との橋渡しの仕事に関わってきた。私自身の経験を通じて、両方の世界の長所と短所を知った上での活動であったし、現在も進行形である。そのような状況の中で、何かの考えを思いつき、企画し具体化、実際に実施し、さらにその後の対応をするまでの一連のプロセスの重要性を力説してきた。それが、プロジェクトの意義であり、その中心的な役割を果たすプロデューサーの貢献でもある。今回はプロデューサーの役割を巡るお話しである。
プロデューサーは映画界で発展した職種であり、その後、同種の役割がどの世界でも見られることから、プロデューサーの重要性が認められている。手元にある辞書でプロデューサー(製作者)の項目を見ると、「製作者。特に、映画・演劇の製作・上演に当たって、立案・人事・予算などの責任を負う」(広辞苑)と簡潔に説明されている。似た職種にディレクター(監督)があるが、ディレクターは製作そのものに専念する職種である。プロデューサーは、立案、チーム編成、資金調達と管理、法律等の問題処理など、企画から制作、そしてその後の展開までの一連のプロセスにつき責任を以て担い、成果を挙げる人である。よい成果が上がらない場合は、プロデューサーが責任を負うことになる。
以上のプロデューサーに関する導入的な説明をした上で、学生諸君にはよく宿題を課した。「○○はプロデューサー」という題名でレポートを作成してください、というものである。但し、○○の所には、何か関心を持った事柄を入れればよい。例えば、主婦、サークル活動の幹事、野球の監督など、今まであまり考えたこともない事柄が望ましい。私はかつて、「自治体職員はプロデューサー」と題して講演をしたことがある。市長から新人職員まで(民間企業ならば社長から新人社員まで)のそれぞれの職位の人が、それぞれの立場でプロデューサー意識を持つことが大切だと考えたからである。私の意図は、○○の所には何を入れても良く、このテーマを考えることが、自ずと、自分自身にとって、仕事をする上で何が基本となるのかについて再認識する機会になることを期待してのことだった。
もしあなたが、あるプロジェクトのチーフだったら何を考え、どのように段取りをつけ、ものごとを進めて行くか。プロデューサー的な思考方法と行動様式を活用する機会は日常的にある。もしそのような考え方ができれば、逆に、一人のプレイヤーの果たすべき役割を再考する機会にもなる。
自分自身のことを、「人生という名のプロジェクトにつき責任を以て遂行し、結果を出すプロデューサー」と考えたらいかが、というのが今回の主旨である。成功失敗を合わせての結果の蓄積が、その人にとっての「私の履歴書」なのである。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
