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つい数日前に、関係機関のご支援、ご協力の下、研究仲間十人と共に本を刊行した。いつもならば、出来上がったばかりの本を手にして、その出版をうれしがるのが恒例だった。
しかし、今回はオン・デマンド形式による出版となったために、この随想を執筆時点で現物の本は手元にない。オン・デマンド形式上は発売中となったので、ウェブサイトの上では購入可能になっている。いつもとは何か異なる感じである。どのような形式の出版なのか。
従来の出版ならば、著者が原稿を執筆して、出版社の編集者が校閲、編集などを担当し、印刷所があらかじめ決めた冊数の初刷りを行う。そして取次店などを経由して、世の中に本という形になって出て行く。全国の書店に本が並ぶことにはなるが、もし売れなければ返品となり、出版社もリスクを負うことになる。
ところが、オン・デマンド出版の場合は、著者が自分自身の責任で完成原稿をpdf形式のファイルとして作成する。pdfは、ポータブル・ドキュメント・ファイルの略で、どのような環境のPCでも読むことが出来るので、電子的な紙のようなものである。この状態にしておけば、購入者の希望部数に応じて(オン・デマンド、つまり注文に応じてということ)、通販会社が提供することになる。したがって、本は書店などの店頭には並ばないが「ネット商店街にて販売中」といったら、実態を示すことになるだろうか。何せ「ネット商店街」だから、世界中に刊行を知らせ、販売が可能となる。まさにネットの威力である。
制作、流通、在庫などの費用があまりかからないので、本の価格も比較的に安めに設定することが可能である。安ければ学生を初めとする読者諸君も買いやすくなる。難点はpdfというファイル形式での印刷なので、少し鮮明度が落ちるという点である。だが、線を引きながら読みたい、という読者にとっては、さして問題にならない。どのような本を作ったかというと、私が本の登録をする際に寄せた、次の文章から分かる。
「本書は、若手からベテランまでの研究者10名が、都市・地域の政策課題について取組み、事例を交えて考察したものである。都市・地域を俯瞰的に、物語仕立てに考察したものから、自治体、議会による政策研究の経緯と現状を紹介し、NPOと自治体による協働の課題、新たな学校開設の事例、地域における居場所づくり、文化政策などを報告している。
そして、自治体研究所の新宿区の活動例として、その実態、思想的考察、人口予測などを紹介している。さらに政策に必要なデータ分析の話題も取り上げ、実践の世界と研究の世界との橋渡しを目指し、新たな可能性を模索している」
(金安岩男・牧瀬稔編著『都市・地域政策研究の現在』)
各執筆者が真面目に取り組んだ論稿なので、関心のある読者が本を手にしていただくと、執筆者の一人としてもうれしい。私はこれまでに何冊も本を刊行しているが、考えていることが活字になり、本として出版されることは、人生の中でわくわくするものの一つであることに変わりはない。
(金安岩男 慶應義塾大学名誉教授)
